ジャッキーを偲んで

2016年2月2日火曜日

ジャッキーのいなくなったあと、
息子さんは、一生懸命けなげにお母さんの代わりをしていました。
それはお母さんが亡くなるときに
「続けてほしい」と彼に頼んだからです。

そして彼女は、13年前のガンが再発して、骨にまで達していたことを誰にも告げることもなく
ギリギリまで働き、最後の2週間は家で過ごすことを望み、穏やかに旅立たれたと聞きました。
彼も「どうしてあんなに強い人なのか分からない」と言っていました。
涙なくしては聞けませんでした。
人間はそういう時にどういう行動をとるのか、
もし自分なら、と考えると、怖くて想像することもできません。

本当にジャッキーは強い女性でした。
本当に男前の女性でした。
あなたのことは一生忘れません。

他のイギリスの取引先とトラブったときも、間に入って助けてくれました。
何をお願いしてもNOと言いませんでした。
これからはそんなあなたをお手本にして生きていきます。

ジャッキーのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

最後に、みなとのてんらんかいはこの冬、彼女が最期にデザインした生地の何種類かを使い、
コート、スカート、マフラーを作ることを息子さんと約束して帰りました。
少しでも多くの日本のお客さまに彼女の心が届きますように。
そして彼女の作品が、ずっと残りますように。



在りし日のジャッキー

2016年2月1日月曜日


前回の続きです。

彼女の名前はジャッキーです。

これは4,5年前に会場で私たちが撮っていた写真です。

当時息子さんは10代でしたがけなげにお母さんのサポートをしていました。


この数年後、大人と子供のコートを作るのに、こちらの織物を使いたいと申し出ました。

彼女は喜んで、私たちのために生地を織り、

日本へ送ってくれました。

その時たくさん作ったコートは、大変好評で今はもう私たちの手元にはありません。



裏地は、私が日本の生地屋さんに頼んで作ってもらった馬柄の生地です。

出来上がったときにこの画像を彼女に送った時の返事が残っていました。

The coats look fantastic and hope are being received well for you.
Your lining is looking lovely inside and I think it all compliments each other.
I hope the Christmas trade is good for you in Japan.

(ステキなコートですね、好評であることを祈っています。
裏地がとてもラブリーで、お互いの生地を引き立たせているように思います。
日本でのクリスマスのお仕事がうまくいきますように)